【鬼滅の刃】映画『無限列車編』ネタバレあらすじ!

鬼滅の刃(きめつのやいば)の無限列車編

2020年には映画が公開予定となっています。

この映画では無限列車という汽車が舞台。

そして炎柱煉獄杏寿郎が中心となります。

原作漫画を読まれた方はすでに知っておられると思いますが、まだ読んでいないという方でどんな内容になるのか気に多いんじゃないでしょうか?

また、すでに内容を知っている方でもストーリーを振り返りたいという人もいるはず。

ということで今回は、鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編についてのネタバレまとめについて書ていきたいと思います。

 

無限列車編ネタバレ(文字バレ)

鬼滅の刃(きめつのやいば)映画無限列車編は原作漫画7巻~8巻の内容となるでしょうね。

話数で言うところの第57話~第69話だと予測されます。

それではここから鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編のネタバレになります。

 

こんばんは煉獄さん(57話)

無限列車の前で話をしている炭治郎伊之助善逸

鬼殺隊は政府公認ではない組織なので刀を出して歩けません。

彼らは刀を背中に隠し汽車の中へ。

任務のために先に乗り込んでいる炎柱煉獄杏寿郎を探します。

すると車両の奥からな何やら声がしてきました。

「うまい、うまい、うまいぞ!」

その声がする方に炭治郎達は近付いてみます。

するとそこには駅弁をを食べる煉獄の姿が。

――炭治郎は早速、日の呼吸について彼に尋ねました。

しかし、煉獄は日の呼吸については知らない様子で、ヒノカミ神楽についても初耳だと言います。

「神楽が戦いに応用できたのは実にめでたい事!しかし話はこれで終わりだ!」

「それよりも、俺の継子になるといい面倒を見てやるぞ!」

この返答に炭治郎は戸惑います。

「え!?もう少し話してくださいよ」

――煉獄は話を続け、炎の呼吸について説明します。

炎の呼吸は歴史が古く、炎と水の剣士はどの時代でも柱が必ずいたこと。

そして炎、水、風、岩、雷、は基本の呼吸

他の呼吸はそこから枝分かれしてできたと言います。

霞は風から派生しているぞ!!」

それから煉獄は炭治郎に刀の色を尋ねます。

「黒刀、それはきつい!」

そう言うと彼は「黒刀の剣士が柱になったのを見たことがないこと」

さらには「どの系統を極めればいいのかもわからない」と言うのでした。

――汽車が走り出します。

ものすごいスピードで進んでいくので伊之助は興奮しているようです。

そんな彼に煉獄が一言。

「気をつけろ!いつ鬼がでてくるかわからない状況だ!」

この言葉に善逸の表情は凍り付きます――。

煉獄が詳細を説明します。

無限列車では短期間の内に40人以上の人が行方不明となり、鬼殺隊から送り込んだ数名の剣士も全員消息を絶っているとのことです。

「だから、柱である俺がきたのだ!」

とそこに切符を拝見しに車掌がやってきました。

「パチン、パチン」

車掌が切符をきります。

「なんだ、嫌な匂いがする……!!」

何かを炭治郎は感じ取りました。

――煉獄も何かを察知し立ち上がります。

「危険なので車掌さん下がって!火急のこと故帯刀は不問ねがいたい!」

すると直ぐに車両のドアの前に鬼が現れたのです!

「その巨大な身体を隠していたのは血鬼術か」

「気配も探りづらかったぞ」

――そして煉獄はすぐさま技を繰り出し、鬼の首を簡単に切り落としました。

その姿に炭治郎達は喜びます。

そして煉獄に弟子にして欲しいと頼むのです。

「みんなまとめて面倒みてやる」

しかし、これらは夢での出来事――。

現実の彼らは列車の席に座りすやすやと眠っていたのでした。

 

――その頃、汽車の先頭の屋根の上には下弦の鬼の姿が…。

「夢を見ながら死ねるのは幸せだよ」

 

無限夢列車(55話)

――涙を流しながら汽車の車掌が話しています。

「言われた通り切符を切って眠らせました」

「どうか私も早く眠らせてください、死んだ妻と娘に会わせて……」

彼が話している相手とは下弦の鬼

しかも鬼本体の分身なのか、鬼の手だけがそこにいます。

そして掌には口がありました。

「いいとも、お眠り。家族に会えるいい夢をね」

この言葉を聞いて車掌はその場に倒れます。

「あの…私たちはどうしたら……」

何人かの乗客たちが集まっていました。

どうやら乗客は鬼の手下のようで、鬼が彼らに指示を出しました。

「鬼狩り達の眠りが深くなれば鬼狩り達に縄を繋ぐ」こと。

「勘がいい奴は殺気や鬼の気配で目を覚ます時があるから気をつけること」を伝えます。

「俺は暫くの間先頭車両から動けないから」

「準備が整うまで頑張って、幸せな夢を見るためにね」

 

先頭列車の鬼が呟きます。

「――どんなに強い鬼狩りだって関係ない、人間の原動力は精神」

「“精神の核”を破壊すればいい」

「そうすれば生きる屍となり、殺すのも簡単」

 

車内では炭治郎達や他の乗客も眠っていました。

そして炭治郎達はそれぞれ夢を見ているのです――。

善逸は夢の中で禰豆子の手を引いて桃畑を駈けていました。

「こっちの桃がおいしいんだ、シロツメクサもたくさんさいているよ」

彼は楽しそうな夢を見ています。

一方、伊之助は夢の中で炭治郎、禰豆子、善逸を子分にして洞窟を探検している様子です。

そして煉獄の夢

彼の目の前には背を向け布団に寝転がる父の姿がありました。

「ん?俺は何をしにここへ?」

「そうだった、柱となったことを父に報告するんだ」

しかしこの知らせに父親、煉獄槇寿郎(しんじゅろう)は「くだらん」と言葉を返します。

そして自分と煉獄杏寿郎を「能無し」だと蔑むのでした。

――「父上は喜んでいましたか?」

弟の千寿郎が杏寿郎に尋ねます。

言葉を返す前に杏寿郎は父親のことを考えました。

「昔はあんなではなかった」

「父は鬼殺隊で柱にまでなったし、情熱のある人なのにある日突然剣士をやめたのだ」

「熱心に俺たち育ててくれた人が、一体なぜ」

杏寿郎はこんなことを考えても仕方がないと千寿郎のことを考えました。

そして彼を哀れみます。

――千寿郎が物心つく前に母は病死し、父は今の状態だったのです。

杏寿郎は弟に返事をします。

「正直に言おう、父上は喜んではくれなかった!」

「そんなことで情熱が、そして心の炎が消えることは無い」

そう言って千寿郎励まします。

「お前にはお兄がいるんだ、兄は弟を信じているぞ」

「どんな道を歩もうともお前は立派な人間になる、寂しくとも頑張って生きよう!」

そして杏寿郎は千寿郎を抱きしめました。

炭治郎の夢の中。

彼の目の前には懐かしい家と兄妹の姿が見えます。

そして自身も当時の姿をしています。

炭治郎は涙を溢れさせて兄妹に駆け寄り抱きしめます。

「ごめんよ、ごめんよ!!」

 

その頃、現実では――。

鬼の手下の乗客それぞれ炭治郎達の腕に縄を括りつけています

それから、その括りつけた縄の先を自身の腕に括り付けました

そして彼らも眠りに付きます。

「大きくゆっくり、数を数えながら呼吸する」

「そうすれば眠りに落ちるんだ」

 

――炭治郎が泣き出したことに家族は驚いていました。

「何か悪い夢でも見てたのかも」と答える炭治郎。

そして目の前ではしゃぐ兄妹達の幸せな風景に彼は笑顔を見せました。

 

――先頭車の屋根の上にいる下弦の鬼が呟きます。

「楽しそうに、幸せな夢を見始めたぞ」

「深い眠り、もう目覚めることはできないね」

 

目覚めろ(56話)

眠り鬼・魘夢(えんむ)の作った縄は繋ぐ者の夢の中に侵入できる特別な力があります。

煉獄の手首に繋がれた縄は、一人の娘の手首に繋がれていました。

煉獄の夢に侵入した娘。

彼に気が付かれないようにしながら、“夢の端”まで向かいます。

下弦の鬼、魘夢の見せる夢は無限には続いてはいません。

夢を見ている者を中心に「円形」となっています。

夢の外側には“無意識の領域”があり、この2つを分ける壁が“夢の端”。

そして、無意識のには“精神の核”が存在し、これを破壊されると持ち主は廃人となってしまうのです。

娘は夢の中で壁を見つけました。

そして手に持っていた錐を壁に突き刺します。

膜のような壁は破け“無意識の領域”が現れました。

娘は進んでいきます。

そこには何もない場所で、ところどころ炎が広がっています。

「熱い、変な“無意識の領域”」

――現実で眠っている煉獄は何かを感じたのか顔をしかめました。

娘は直ぐに“精神の核”を見つけます。

それは球体をしていてガラス玉のようでした。

「赤いのは初めて見たわ」

「でも精神の核は脆く、簡単に壊せるの、ガラス細工のように」

そう思いながら彼女は錐を“精神の核”に向けて振りかざします。

しかし!!

彼女に異変が起きます。

この異変は現実の世界からの影響でした。

娘はなんと眠ったままの煉獄に首を締められていたのです。

煉獄は椅子から立ち上がり右手で首を持って彼女を持ち上げていました。

通常、眠り鬼の術に落ちている時の人間は体を動かすことができません。

意識と肉体が完全に切り離されて夢の中に閉じ込められているのです。

しかし、鬼狩りは殺気を感知し術を破る可能性がありました。

魘夢はそのことを踏まえ、人間を使い精神の核を破壊させ殺害する計画を立てていたのです。

廃人となった者は殺される時ですら何も抵抗しないのでした。

ところが、煉獄は動いたのです。

娘が殺気を放っていないにも関わらず、煉獄の体は本能で危険を察知

現実からの圧力により夢の中の彼女は動けません。

煉獄も彼女を殺すわけにはいかず身動きが取れない状況です。

一方、炭治郎の夢の中

炭治郎は兄妹達から禰豆子が山菜を取りに出かけていることを聞きます。

「昼間なのに!?」

そう言って彼は焦りました。

しかし彼のこの言葉に兄妹達は「何を言っているんだ」というような反応を示します。

この状況に炭治郎自身も「自分は何を言っているんだ」と混乱するのでした。

母親が炭治郎に声をかけます。

彼女の風呂の準備頼まれ風呂の準備のために外へでる炭治郎。

すると、少し先の木陰に「禰豆子の道具箱」があるのが見えたのです。

その時、炭治郎は置いてあった桶に躓きます。

そして目をそらした隙に道具箱は消えていました。

「あれ?道具箱?今のは何だったんだ?」

――桶を両手に川に来た炭治郎。

水を汲もうとしゃがみ込みます。

すると水面に映る自分が何かを必死に叫んでいる姿が見えました。

着物を着ている自分に対し、水面にいる自分は鬼殺隊の隊服を着ていたのです

炭治郎は桶を水の中へ入れると水面下の隊服を着た自分に水の中へと引き込まれました。

「起きるんだ!攻撃されてるぞ!」

「これは夢なんだ!」

「目覚めるんだよ!起きて戦うんだ!」

この言葉にはっとする炭治郎。

自分が汽車の中にいたことを思い出し、ぎゅっと目をつむります。

そして目を開きました。

しかし、目の前には食事をする兄妹たちの姿が。

「だめだ、目覚められていない」

「どうすれば出られるんだ!!」

 

現実世界では、禰豆子が箱から転げ落ちます。

起き上がる彼女。

そして目に映るのは、眠ったまま娘の首を絞める煉獄、椅子の上に横になりぶつぶつと言っている炭治郎。

禰豆子は炭治郎を起こそうとしました。

しかしゆすっても彼は目覚めません。

いつものように彼に頭をなでて欲しい様子の禰豆子。

中々起きない彼にいきなり頭突きをかまします。

それでも炭治郎は目覚めず、代わりに禰豆子のおでこからは血が流れます。

この状況に彼女は涙ぐむも怒ったのか、炭治郎を火だるまにしてしまいました。

すると、夢の中の炭治郎もこの炎に包まれたのです。

 

刃を持て(57話)

禰豆子の炎により燃え上がる炭治郎

突然の炎に包まれた兄を見て兄妹達は慌てます。

「お兄ちゃん、火が!!」

炭治郎は火だるまになりながらも禰豆子の匂いを感じ取りました。

「禰豆子の血、禰豆子!!」

彼の脳裏に彼女の姿が映ります。

そして炎がぼうっと燃えたかと思うと炭治郎は着物の姿から隊服の姿に変わってします。

「隊服だ!!日輪刀も!!少しずつ覚醒している!」

それと共に炎も静まっていきました。

兄妹たちは涙を浮かべながら彼を心配します。

「お兄ちゃん大丈夫なの!?」

「……ごめん、行かないと」

そう言うと炭治郎は立ち上がりました。

「早く戻らないといけないんだ、ごめんよ」

うつむきながらそう答え彼は家を飛び出し走ります。

「俺に夢を見せている鬼がいるのなら早く見つけて斬らないと」

とその時、走っていく彼の後ろに禰豆子が通りかかり声をかけます。

「お兄ちゃん、どこに向かうの?」

そして、弟の六太と一緒にいた母も心配そうに声をかけます。

炭治郎は立ち止まり、そしてうつむきます。

「ずっとここにいたいなぁ、振り返って戻りたい」

「本当ならずっとこうして暮らせていたんだ」

「本当なら今もみんな元気で」

「本当なら刀なんか触るはずなかったのに…!!」

「でももう俺は失ったんだ」

「戻ることなんできない!!」

そして再び走り出す炭治郎。

その背中に今にも泣きだしそうな六太の声が響きます。

「お兄ちゃん、置いて行かないでよ!」

この声に涙が溢れる炭治郎ですが構わずに走っていきます。

彼は心の中で六太に謝ります。

そしていつも家族のことを思っているこを。

「たくさんありがとうと思い、たくさんごめんねを言おう」

「忘れることなんて無いんだ、こころは傍らにいるから」

「だからどうか許してくれみんな」

――炭治郎がかけていく姿を乗客の青年が木の陰から見ていました。

彼が通り過ぎるのを確認します。

「早く“精神の核”を破壊しなければ」

そして青年は錐を使い側の壁を裂きます。

すると壁が破れ、目の前に澄んだ大空のが広がる“無意識の領域”が現れます。

青年は思いました。

「なんという美しさなんだ、どこまでも広くて暖かい……」

 

また一人の乗客の娘が“精神の核”を探していました。

かなり狭い洞窟を這いつくばりながら進んでいきます。

「なんなのこの変な“無意識の領域”は……」

「それに気持ち悪い裸猪…」

そんなことを思いなが貼っていく彼女。

すると突然彼女の目の前に伊之助が現れわれたのです。

恐ろしい形相。

そして彼女を追いかけ出しました!

驚き急いで逃げる娘。

「なんで“無意識の領域”にいるの……!!」

 

そしてまた一人乗客の青年が”精神の核”を探しています。

「真っ暗で何も見えない、なんなんだあの金髪のガキの“無意識の領域”は」

「息苦しくて体が重たいぞ」

暗闇で手探り状態の彼。

とその時「シャキン、シャキン」と音を立てながら何かが近づいてきたのです。

次の瞬間彼の真横に大きな庭ばさみを持った善逸が現れました。

とても恐ろしい顔をしています。

そして恐ろしい声で話し始めました。

「なんで男なんかがいるんだ、害虫め」

「ここに入っていいのは禰豆子ちゃんだけなんだぞ、殺すよ」

そして善逸は刃物を持って青年を追いかけていきました。

通常、“無意識の領域”には誰もいないはずですが、「意識の強いもの」つまりは「我が強い者」の無意識の領域には人が存在することがあるのでした。

 

雪が降る森で炭治郎は鬼を探します。

「いない、微かに匂いはするんだけど」

場所を特定できず、彼は焦っていました。

「他のみんなも眠っているならかなりまずい状況だぞ」

「どうすれば目覚められるんだ」

 

先頭車の上の魘夢。

後ろの車両を見るように振り返ます。

「手こずっているのか、どうしたんだろうね」

「まだ誰の核も破壊できていない」

「……まぁ時間稼ぎができているからいいけどね」

 

森の中、炭治郎は鬼を探し回ります。

「鬼がいないどうなっているんだ」

「今はただ眠っているだけなのだろうか…!!」

そう考えていた時。

突然、彼の後ろに父親である炭十郎が背負向けて現れたのです。

「炭治郎、刀を持つんだ」

「切るべきものはもう在るぞ」

その声に振り向く炭治郎でしたが、父の姿はもうそこにはありません。

彼の前に何度も現れた者たち。

水面に映った自分禰豆子の箱、そして今の父の言葉は全て自分自身の本能の警告だったのです。

もう気づいているはずの小さな手掛かりを炭治郎が理解できずにたためでした。

父の言葉を自分の中で繰り返し、考える炭治郎。

そして気が付きます。

「わかったと思う、でも、もしこれが違っていたら?」

「夢の中での出来事が現実に影響するのなら、取り返しがつかないことになる……」

「いや、迷うならやるんだ!!」

夢の中の死が現実の目覚めに繋がるはず」

「つまり斬るものは、自分の頸!!」

そして彼はうなり声をあげ自分の頸に刀を当てます!

 

おはよう(58話)

「目覚めるんだ!!」と繰り返す炭治郎

刀を当てた首からは血が噴き出しています。

そして大声を上げながら起き上がります。

気が付くとそこは現実世界

彼は夢から覚めることができたのです。

炭治郎は思わず首に手を当てます。

「大丈夫だ、生きているぞ」

心臓は高鳴り、汗が流れていました。

ほっと安心する彼の背中を困った顔で禰豆子が見つめています。

彼の大声に驚いた様子ようです。

「禰豆子!!大丈夫だったか…」

とその時、彼は腕に結び付けられたに気が付きました。

「これはなんだ?焼き切られている」

「禰豆子の燃える鬼の血?微かにだが鬼の匂いもする」

そして炭治郎は勘づきます。

「そうだ、切符!!やっぱりこれも微かに鬼の匂いが」

彼は切符を見つめながら考えました。

「切符を切った時に眠らされたんだ」

「鬼の細工がしてあるぞ」

それから周りの状況を確認して炭治郎はみんなの名前を呼び、椅子の下に置いていた刀を取ります。

そして彼らが縄でつながれていることを発見。

「この人たちは誰なんだ」

縄を見ながら炭治郎は考えます。

「この縄、日輪刀で切ると良くなさそうな気がするぞ…」

「禰豆子、縄を燃やしてくれないか!!」

そう頼み禰豆子が縄を燃やします

炭治郎のこの判断は正しかったのでした。

もし日輪刀で縄を切っていれば夢の主ではない者は永遠に意識が戻らないのです――。

善逸、伊之助を起こそうと揺さぶり、声を掛ける炭治郎。

それから怒る禰豆子の頭を撫でます。

そして煉獄の名を呼び、彼の所へ向かおうとしたその時。

煉獄と縄で繋がっていた娘がいきなり炭治郎に向かって錐を振りかざしたのです。

とっさに避ける炭治郎。

「精神の核破壊に失敗したことで夢を見れない」と彼女は怒りを露に。

この計画に参加した他の者に加勢するようにも怒鳴ります。

「結核だかなんだかわからないけど」

「ちゃんと働かないとあの人に言いつけて夢を見せてもらえないようにするわよ」

椅子の影から立ち上がりながら彼女に怒鳴られていた青年。

目からは涙が溢れています。

彼は炭治郎の夢にいた青年だったのです。

病気だと聞いて炭治郎は彼を憐れみ、鬼に怒ります。

「許せない、人の心につけ込むなんて」

結核を患った青年は、不治の苦しみから逃れるために人を傷つけることすら容易になっていたようです。

しかし、青年が炭治郎の温かく澄みきった夢、心の中に入ったお陰で今は元の優しい青年になっていました

夢の中には炭治郎の優しさの化身である「光る小人」が存在しています。

夢から現実世界に引き戻された時、この小人を青年が掴んで離しませんでした。

それにより小人が青年の心に残り、彼の心を明るく照らしたのです。

――「ごめん、俺は戦いに行かなきゃならないんだ」

炭治郎はそういうと、病気の青年以外3人の者も首を付き気絶させました。

「幸せな夢の中にいたいよな…俺も夢の中にいたかったよ」

そして残った青年に「大丈夫?」と声をかけます。

彼は返事の代わりに「ありがとう、気をつけて」と言葉を返しました。

炭治郎は「はい」っとしっかりと返事をし炭治郎は禰豆子連れて列車の中を進みます。

――他人の夢の中は持ち主の意志が強いので、共鳴して影響を受ける場合がありました

結核も青年のように。

だから魘夢は人の夢に入らないのです。

 

列車ドアの外に出た炭治郎

彼は鬼の匂いを感じ取ります。

「鬼は風上か…先頭車両にいる?」

そう思い屋根の上に上へ。

禰豆子には中で待機させ、みんなを起こすように伝えます。

炭治郎は屋根の上を走り、先頭車両へ向かいます。

そしてそこで魘夢の姿を見つけるのでした。

「あれ、起きたんだ」

「おはよう」

魘夢は炭治郎を見るとそう言ってひらひらと手を振ります。

鬼を前に炭治郎は身構えます。

魘夢は口を開きました。

「せっかく良い夢を見せてやっていたのに」

「家族を惨殺する夢を見せることもできるんだよ?」

「今度は父親が生き返った夢でも見せてやろうかな」

この話に炭治郎は怒りに燃えます。

 

侮辱(59話)

「本当はさ、幸せな夢を見せた後に悪夢を見せてやるのが好きなんだ」

「不幸に打ちひしがれて、苦しみもがいている奴を眺めるのは楽しい」

そう思う魘夢であったが鬼狩りを確実に殺すために巧妙に策を立てていました。

インクに俺の血を混ぜた切符、これを車掌が切って“鋏跡(きょうこん)”を付けると術が発動する遠隔術

「面倒でもこれが一番気づかれにくい術だった」

「なのになんでコイツは起きたんだ、短時間で覚醒条件も見破っているし」

「人間の幸せな夢への欲求はすさまじいのに」

炭治郎は刀を鞘から抜きます。

「人の心の中に土足で踏み入るんじゃない」

そんな彼を見て魘夢は耳飾りを付けていることに気が付きます。

「運がいいな、これで無惨様の血をもっといただけるぞ」

炭治郎が攻撃の先手を打ちました。

「水の呼吸、拾ノ型、生生流転(せいせんるてん)」

魘夢も直ぐに血鬼術を使います。

「血鬼術、強制昏倒催眠の囁き(きょうせいこんとうさいみんのささやき)」

魘夢の右手の甲には口が現れ囁きます。

「お眠り」

すると炭治郎は術に掛かり夢へ落ちます。

しかしすぐさま目を覚まし魘夢の所へ走って近づいていきます。

魘夢はすかさず何度も術をかけます。

しかし炭治郎に効きません。

「なんで効かないんだ、いや違うぞ」

「何度も術にかかっているが、その瞬間夢の中で自決しているのだ」

夢の中であっても自分で自分を殺すことにはかなりの精神力がいります。

「コイツはただ者じゃないぞ」

――術に掛かかった時、魘夢に見せられていた炭治郎の夢は「家族に罵られる」という悪夢。

「自分だけが生き残って」

「役立たずだな」

「よくものうのうと生きているね」

この悪夢により、炭治郎の怒りは頂点に達します。

「そんなことを言うはずがないだろう!!」

「俺の家族を侮辱するんじゃない!!」

そしてその勢いのままに刀を振りかざし魘夢の首を斬り落としました

頸が胴体から離れ飛んでいきます。

しかし、「手ごたえがほとんど無いぞ」と思う炭治郎。

そして「これも夢なのか」それとも「この鬼が弱かったのか」と考えを巡らせます。

空中を舞う魘夢の頭が話し出しました。

「あのお方が、耳飾りの君も殺せと言った気持ちがよくわかったよ」

そして魘夢の頸から皮膚のようなものが再生したのです。

「死なないのか!?」と青ざめる炭治郎。

「そういう顔が見たかったんだよ」と笑う魘夢。

「なぜ首を斬られても死なないのか教えてあげよう、僕は今気分がいいからね」

そう言って彼は死なない理由を説明し始めました。

「それがもう本体ではなくなっているからだよ」

屋根の上に横たわる自身の体を示す魘夢。

「今喋っている頭もそうだよ」

「君たちが眠っている間に俺はこの汽車と“融合”したのさ!!」

「列車のすべてが俺の血であり肉であり骨なのさ」

「つまりは、この汽車の乗客2百人余りが、俺をさらに強くする餌となる」――。

「俺におあずけさせられるのかな?」そう言葉を残し言葉を残し自身も列車と融合していきます。

炭治郎はすかさず刀で斬りかかります!

しかし間に合いません。

危機的状況に炭治郎は焦りどうやって乗客を守るか考えます。

「一人で守るのは2両が限界…!!」

「煉獄さん、善逸、伊之助、頼むみんな起きてくれ!!」

そして最初の所へ引き返しながら禰豆子にも眠っている人を助けるように叫びます。

とその時、向こうの車両から誰かのうなり声が聞こえてきました。

そして列車の中から天井を突き破り出てきた人物が。

伊之助です!

「爆裂覚醒」

「伊之助様のお通りだーーー!!」

 

二百人を守る(60話)

炭治郎は汽車全体が鬼になっていることを伊之助に伝えます。

「やはり俺の読みは正しかったということだな!!」

列車の中では天井や椅子から魘夢の皮膚のようなものが出てき眠っている乗客達を吸収しよとしていました。

「獣の呼吸、伍ノ牙、狂い裂き!!」

伊之助が技を放ち魘夢の皮膚を切り裂きます。

彼の技“狂い裂き”は四方八方を斬りつけます。

敵に囲まれた時などに最適の技です。

伊之助に続き禰豆子も爪を使って攻撃し乗客を守ろうとします。

しかし守るべき乗客の数は多過ぎて手が回りません。

その時、青年の一人に鬼の皮膚が襲い掛かりました。

禰豆子はとっさに腕を出し、皮膚が彼女の腕に絡みつきます。

さらに両腕足までも取られてしまい身動きが取れない状態に。

禰豆子はピンチに陥ります。

しかしそんな彼女の側に善逸が現れたのです!

「雷の呼吸、壱の型、六連!!」

技を繰り出し、禰豆子及び乗客にまとわりつく皮膚を攻撃します。

「禰豆子ちゃんは俺が守るんだ」

そう言う善逸でしたが彼はまだ完全には起きていない様子です。

 

――状況が把握できない炭治郎は焦っていました。

「落雷のような音がした…後ろの車両からか!?」

「煉獄さん、善逸は起きたのか!?禰豆子はどうしてるんだ……!!」

炭治郎は目の前の乗客を守ることで精一杯。

連携が取れていないことに益々焦ります。

――同じ頃別の車両では。

「うたた寝してる間にこんな事態になっていたとは!!」

「柱として不甲斐ない!!穴があったら入りたいな!!」

遂に煉獄が目覚めました

そして炭治郎のいる車両にすぐさまやってきます。

「竈門少年!!」

彼の移動には列車が揺れるほどの衝撃がありました。

「ここまで来るまでに細かい斬撃を入れたので、鬼も再生に少しは時間がかかるだろう」

「しかし、余裕は無い!!手短に話すぞ」

そして彼は作戦について話しまじめます。

汽車は全部で8両編。

その後部5両を煉獄が守りを担当します。

そして残りの3両は善逸と禰豆子が担当。

炭治郎と伊之助には先の3両を警戒しつつ鬼の頸を探すように命じます。

しかし、頸を探せという命令に炭治郎は戸惑います。

「どんな形になっても鬼である限りの急所はあるぞ!!」

「俺も急所を探しながら戦う、君も気合を入れるんだ」

炭治郎を励まし煉獄はすごい速さで後部に向かっていきました。

炭治郎は煉獄の状況の把握と判断に感心していました。

そして戦いに戻り伊之助を呼びます。

「うるせぇぞ、ぶち殺す!!」

返事をした伊之助はどうやら列車の上にいるようです。

彼もまた既に煉獄から指示を受けていました。

炭治郎は煉獄に指示を受けた内容を伊之助に再度伝えます。

「わかってるって!!」

「俺はもう見つけてるからな、この“主”の急所を!!」

そう言って伊之助が走って行きます。

彼の進む方向を見て炭治郎は鬼の急所が汽車の前方にあることに気が付きました。

彼は強い風のせいで匂いが分かりずらくなっていましたが、伊之助の「前の方が気色が悪い」という感覚に確信を抱きます。

「石炭の積まれているあたりだな」

「よし行くぞ!!前へ!!」

 

狭所の攻防(61話)

汽車の前方を目指しながら刀を振り回して走りる伊之助

「この辺りが特に怪しい」と先頭車両に降り立ちます。

そこには車掌が乗っていました。

現れた伊之助に驚き出ていくように大声を出す車掌。

しかし伊之助はそれには構わず鬼の頸を探し始めます。

とその時、突然彼の前に沢山の鬼の腕が現れました!

この状況に伊之助は刀を振り回しますが、腕が押し寄せ絶対絶命に。

しかしこの窮地を炭治郎が救います。

「水の呼吸、陸の型、ねじれ渦」

沢山の鬼の腕を斬り落とします。

そして車内の中央に降り立ち、すぐさま感じ取りました。

「真下!!この場所の真下に鬼の匂いを強く感じる!!」

伊之助にこのことを伝える炭治郎。

「命令すんじゃない、親分は俺だぞ!!」

「獣の呼吸、弐の牙、切り裂き!!」

伊之助が床に技を放ちます。

すると、床が破壊されその下から大きな頸の骨が露になったのです。

この状況にすぐさま技を繰り出す炭治郎。

「水の呼吸、捌の型、滝壺!!」

しかしこの技を鬼の腕が防ぎます。

さらに次の瞬間には壊した床の裂け目が塞がれてしまったのです。

この再生の速さに炭治郎は驚きます。

「渾身の一撃で骨を露出させるのに精いっぱい、骨を断たなければ」

迫りくる腕を相手にしながら彼は冷静に考えます。

そして直ぐに作戦を思いつき伊之助に伝えます。

「呼吸を合わせて連撃しよう!!」

「一人が斬り、一人が骨を断つ」

「いい考えだな、褒めてやるぞ!!」

そして2人が呼吸を合わせて攻撃しようとしたその時。

彼らはたくさんの鬼の”目”に囲まれてしまったのです。

「強制昏倒睡眠(きょうせいこんとうすいみん)、眼(まなこ)」

炭治郎は直ぐに血鬼術だと気づき、術にかかる前の一瞬の隙に伊之助に伝えます。

「伊之助、夢の中で自決するんだ!!そうすれば覚醒できる」

炭治郎は術にかかります。

彼はぐらっと倒れそうになるも、以前のように術を解くことに成功し目覚めます。

しかし、目覚めてもたくさんの目に囲まれいてるのでまた術にかかってしまいました。

もう一度覚醒し現実に戻る炭治郎。

「目覚めた瞬間鬼の目と目が合わないよう、目を閉じたまま覚醒しよう…!!」

そう考え実践するも鬼の目と目が合ってしまいました。

「早く目を覚ますんだ!!」

また術にかかったと思い炭治郎は刀で自決しようとします。

しかし、その刀を伊之助が止めました。

「これは夢じゃない!!現実だぞ!!」

炭治郎は鬼の目を見た者の術にはかかっていなかったのです。

彼は危うく本当に自決するところでした。

「俺は山の主の皮を被ってる、奴らは目が合わせられないんだろうな!!」

そう言って伊之助は鬼の腕を攻撃します。

炭治郎は彼の言葉を聞き気が付きました。

「そういうことか、伊之助は視線がどこをむいているかわかりにくいんだ…!!」

とその時。

伊之助の背後に錐を持った車掌が現れ彼に襲いかかったのです!

とっさの出来事に炭治郎がかばいます。

そして彼は腹部左下に錐を刺されてしまいます。

すぐさま炭治郎は車掌の頸を殴り気絶させました。

「大丈夫だ!!」

「早く首を斬らないと善逸達がもたないぞ」

傷を負いながらも彼は伊之助に指示を出します。

「獣の呼吸、肆ノ型、切細裂き(きりこまざき)!!」

彼の技で再び露になる鬼の頸の骨

「父さん、守って、この一撃で骨を断つんだ!!」

こころの中で炭治郎は思い技を放ちます。

「ヒノカミ神楽、壁羅の天(へきらのてん)」

 

悪夢に終わる(62話)

炭治郎が技を放ち、鬼の骨を切り裂きました

「ギャー――――!!」

魘夢の大きな叫び声が上がり、汽車から皮膚があふれ魘夢の体であるかのようにのたうち回っています。

炭治郎達がいる先頭車は汽車から切り離され横転します。

脱出するために動こうとする炭治郎。

しかし腹部の傷が痛みます。

「お前、大丈夫なのか」

伊之助が心配します。

「乗客を守らないと」

傷のことよりも炭治郎は乗客のことが気にかかるようです。

次の瞬間彼は横転する列車から投げ出されます。

その時先頭車の中で倒れる車掌が彼の目に映りました。

「死ねない、俺が死んだら車掌さんが人殺しに、誰も死なせない」

――汽車から投げ出され地面に倒れた炭治郎。

伊之助が駆け寄り心配します。

「大…丈夫、でも直ぐに動けそうもない」

「伊之助は他の人を助けてくれ」

「怪我人や、さっきの運転手は…」

「アイツ死んでいい!!お前を刺した奴だぞ」

これに炭治郎「よくない」と返答します。

伊之助が車掌の状況を説明しました。

「足が汽車の下敷きなってる、足は潰れてるし放っておけば死んぬぞ」

「だったらもう罰は十分にうけている、助けてやってくれよ」

「仕方ないな」と伊之助は車掌を助けに向かいます。

残された炭治郎は呼吸を整えました。

「夜明けが近づいてくる」

「禰豆子、善逸、煉獄さんはきっと無事なはず、信じよう」

炭治郎の近くでは両目付近の顔だけとなった魘夢の姿がありました。

「体が崩れていく、再生できないぞ」

「俺は負けたのか?死ぬ?馬鹿なそんなはずは…」

「俺は全力を出せていないのに!!」

汽車と合体し乗客全員を取り込む計画を邪魔されたと恨みます。

「アイツのせいだ、3百人も人質に取っていたようなもの」

「なのにそれでも押されて、抑えられて」

「これが柱の力なのか…」

術が解けきれてないにも関わらず戦っていた善逸や鬼狩りに味方する禰豆子に疑問を抱きます。

「なぜ、あの鬼は無惨様に殺されないんだ」

そして計画が崩れた大きな要因である最初に術を破った炭治郎についても。

「あのガキだけでもなんとか殺してしまいたい、そうだあの猪も!!」

「あのガキだけなら殺せたのに、あの猪は勘が鋭く視線に敏感だったし…」

崩れていく魘夢はさらに思います。

ここ百年間、上弦の鬼が変わらず鬼狩りに殺されるのはいつも下弦の鬼だと。

「上弦の鬼は異次元の強さを持っているのか」

「あれだけ血を分け与えられても、上弦には及ばなかった……やり直したい」

そして魘夢は崩れ去ります

「なんという惨めな悪夢なんだ…」

 

――「全集中の常中ができるみたいだな、感心だ!!」

倒れている炭治郎をのぞき込み、煉獄が声をかけました。

「常中は柱への第一歩、いや柱まで一万歩あるかもしれんな!」

「頑張ります…」と返事をする炭治郎。

「腹部からの出血」

煉獄はそういうと炭治郎に止血の方法を教えました。

集中し、呼吸の精度を上げて体の隅々まで神経を行きわたらせ破れた血管をまず見つけます。

「もっと集中するんだ」という煉獄。

そして炭治郎は集中し血管を感じて破れたところを見つけます。

「そこだ、止血し出血を止めるんだ」

集中が乱れたのか炭治郎のおでこに人差し指の先を当てる煉獄。

「集中だ」

炭治郎が破れた血管に集中します。

そして「止血できたぞ」

煉獄が言います。

「呼吸を極めれば様々なことができるようになるんだ」

「何でもできるわけではない、でも昨日の自分よりは確実に強い自分になる」

また、怪我人はいるが命には別条がなく、乗客が全員無事なことを伝え炭治郎に無理せず休むように伝えます。

とその時です…!

煉獄の少し後ろに何かが降ってきて大きな音がしたのです。

煉獄と炭治郎は振り返ります。

 

猗窩座(63話)

煉獄と炭治郎が見つめる先にいたのは

そしてその鬼の瞳に刻まれていたのは。

上弦の…参か?どうして今ここにいるんんだ…」と炭治郎が思った次の瞬間。

「ドン」という音と共に拳を構えた鬼が地面に倒れる炭治郎の面前に。

「炎の呼吸、弐の型、昇り炎天(のぼりえんてん)」

この状況に直ぐさま煉獄は技を出ました!

そして鬼の拳から腕にかけて半分に切り裂きます。

攻撃されさっと後ろに下がる鬼。

着地ごとの衝撃は大きく、さらには腕を一瞬で再生してしまいます。

「再生が早いぞ、この圧迫感と凄まじい鬼気だ」

「これが上弦の鬼か」

そう思う煉獄は鬼に向かって口を開きます。

「怪我を負っている者から攻撃することが理解できない」

この言葉に鬼は言葉を返します。

「俺とお前の話の邪魔になると思った」

「何の話をするというのか、初対面だが俺は既に君のことが嫌いである」

そう言う煉獄に「俺も弱い奴が嫌い、弱者には虫唾が走る」と鬼は答えます。

「俺と君とでは価値基準が違う」

煉獄は言い放つと鬼はある提案を持ち出しました。

「お前も鬼にならんか?」

この言葉に煉獄はすぐさま断ります。

しかし鬼は彼が「至極の領域に近い強さ」を持っていると話しました。

「俺は炎柱煉獄杏寿郎だ」

「俺は猗窩座

「杏寿郎、なぜお前が至極の領域に入れないか教えてやろう」

「人間であるからだ、老いて死ぬからだぞ」

そう言ってまた煉獄を鬼になるように誘います。

猗窩座の言葉に対し煉獄は反論します。

「老いること、死ぬことも人間という儚い生き物の美しさである」

「――肉体に対してのみ使う言葉ではないぞ」

「俺はどんな理由があろうとも鬼にはならん」

猗窩座は返答しました。

「そうか、鬼にならないのなら殺すのみ」

彼は構えました。

「術式展開、破壊殺・羅針(はかいさつ・らしん)」

羅針のような文字が地面に浮かびあがります。

そして煉獄の方に勢いよく向かっていきました。

「壱の型、不知火(しらぬい)」

煉獄も迎え撃ちます!

彼らの動きの速さは目で追うことができない程でした。

そして激しい音と共に両者の攻撃がぶつかり合います!

この音は車掌を助けに行っていた伊之助にも聞こえていました――。

「今までお殺してきた柱の中に炎はいなかった」

「俺の誘いにのるものも」

「同じく武の道を究める者として理解できないな」

「選ばれた者にしか鬼になれないというのに」

「素晴らしい才能を持つものが衰えていくのは耐えられない、杏寿郎死ぬがいい、若く強いままに」

そして猗窩座は攻撃を繰り出します。

「破壊殺・空式(くうしき)」

「肆の型、盛炎のうねり(せいえんのうねり)」

激しくぶつかり合う両者の攻撃。

猗窩座の攻撃は拳を使い、虚空を打ち攻撃を打ち出すもので一瞬にも満たない速さです。

「このまま距離を取って戦われたら、頸を斬るのは厄介だな」

「ならば近づくまでだ!!」

そして煉獄は瞬時に猗窩座の前に出ます。

「素晴らしい反応速度だ」

またも両者の攻撃がぶつかり合います。

そして猗窩座はまたもや煉獄問いました。

「この素晴らしい技も失われののだぞ、悲しくはないのか杏寿郎」

「誰もがそう、人間ならば当然のことだ!!」

この時、炭治郎が応戦しようとして動こうとしました。

「動くな、傷が開けば致命傷となるぞ!!待機命令!!」

煉獄の言葉に炭治郎は動きを止めます。

「弱者に構うな!!俺に集中して全力でこい!!」

またこの時、炭治郎の横には伊之助が来ていました。

2人の戦いに驚いています。

そして煉獄と猗窩座の攻撃は激しくぶつかり合います。

「破壊殺・乱式(らんしき)!!」

「炎虎!!」

 

上弦の力・柱の力(64話)

攻撃がぶつかり合ったことで砂ぼこりが舞っています。

その中で対峙する煉獄と猗窩座。

煉獄は息を切らしている様子です。

「死ぬなよ、杏寿郎」

猗窩座がそう言いそういいながら見つめる先には、負傷した煉獄が立っていました。

頭から血を流し左目と腹部を負傷している様子です。

煉獄の背中を見つめる炭治郎。

また伊之助は助太刀に入ろうと考えてしました。

しかし足手まといとなり、2人の戦いに入れば死ぬということを肌で感じていました。

猗窩座が口を開きました。

「生身でいくら戦っても無駄だぞ、お前の素晴らしい斬撃は完治した」

「しかしお前は左目が潰れ、あばら骨は砕け、内臓まで傷ついてもう取り返しは付かないぞ」

「そんな者鬼ならばかすり傷で済む、どうあがいても人間は鬼には勝てないのだ」

この状況に炭治郎は助けに入ろるため立ち上がろうとするも力が入りません。

「傷のせいでもあるだろうけど、ヒノカミ神楽を使うとこうなるんだ」

――そして煉獄は闘気を放ちます。

「俺は俺の任務を全うするのだ」

「ここにいる者たちは誰も死なせはしない!!」

それから彼は、猗窩座の体の多くの面積を一瞬でえぐり取ること考えながら攻撃態勢に入ります。

「炎の呼吸、奥義」

重症を負いながらもまだ力を出す彼に猗窩座は驚きまたも鬼になれと言います。

「俺と永遠に戦い続けようではないか」

「術式展開、破壊殺・滅式」

「玖ノ型、煉獄」

両者の技がぶつかり合います。

この凄まじい威力に炭治郎と伊之助は驚きます。

土煙が舞います。

「止まったのか?土煙で見えないぞ…」

炭治郎はその先を見つめながら煉獄の名前を心の中で叫びました。

そして間のなく、土煙が引いて煉獄たちの姿が見えてきました。

しかし、その光景は最悪の状況。

なんと煉獄の脇腹を猗窩座が拳で貫いていたのです。

「死ぬぞ…!!死んでしまう杏寿郎」

「鬼になると言うんだ!!」

窮地に陥ってもなお「俺は選ばれし強きものだ!!」と答える煉獄。

 

――煉獄の記憶の中。

「杏寿郎」と彼を呼ぶ母親、瑠火の声がしました。

幼い煉獄は返事をして座敷へ入り彼女の元へ。

そして彼女は自分が今から言うことをよく考えろと言いました。

「なぜ自分が強く生まれたのかあなたはわかりますか」

少し考えわからないと答える煉獄。

「弱き人を助けるためですよ」と母親は答えます。

それに続けて、人よりも多くの才に恵まれ生まれた者はその力を人のために使うこと、力で人を傷つけたり私服を肥やすことは許されないと語ります。

「弱き人を助けることは強く生まれついた者の責務ですよ」

「責任を持って果たさないといけない使命です」

「決して忘れることのないように」

これを聞きしっかりと返事をする煉獄。

そして母親は彼を抱き寄せました。

「私はもう長くは生きられない、強くて優しい子の母になれて幸せです」

「あとは頼みました」

――現実に意識を戻す煉獄。

振り上げていた刀を固く握り直します。

そして目の前の猗窩座の頸めがけて振り下ろし、刀を頸を入れました

まだ戦う彼に驚く猗窩座。

煉獄は思います。

「母上、俺ほ方こ貴方のような方に産んでもらえて光栄でした」

そして彼は声を上げながら力いっぱい猗窩座の頸に刀を押しつけます。

少しずつ食い込む刀。

そんな中猗窩座は煉獄の腹に突き刺す腕とは反対の腕で煉獄を殴ろうとします。

しかし、煉獄はその腕を掴みます。

攻撃を止められ猗窩座は驚きます。

「信じられない力!!急所に俺の右腕が貫通しているのに」

そう思う彼でしたが、山の方に朝日が昇っていているのに気が付きました。

「しまった、夜明けが近いぞ!!早くコイツを殺してこの場を去らなければいけない」

しかし、彼はまたもや驚くことになります。

「腕が抜けない」

煉獄の体から突き刺した腕が抜けないのです。

 

「逃がさないぞ」

 

誰が勝ちか(65話)

刀を手に持ち煉獄達の方に走り出す炭治郎。

「斬らなければいけない!!早く!!鬼の頸を」

夜明けまじかに逃げようと猗窩座は焦ります。

「ここには陽があたる…!!」

彼は大声を張り上げ煉獄から離れようとします。

しかし煉獄もそれに対抗します。

「絶対に放さない、お前の頸を斬り落とすまで!!」

両者の力のせめぎ合い。

猗窩座の頸に刺さる煉獄の刀が進んでいきます。

「伊之助、動くんだ!!煉獄さんのために」

そう叫びながら炭治郎は走ります、伊之助も続きます。

「獣の呼吸、壱ノ牙、穿ち抜き(うがちぬき)…」

伊之助の攻撃が猗窩座の近くに迫りました。

この状況に猗窩座はさらに力を出します。

彼の足が地面にのめり込むほどのパワーです。

そして次の瞬間、猗窩座は煉獄から離れました

両腕を自ら引きちぎった様子です。

頸には煉獄の折れた刀が刺さったままになっています。

あと刀はあと少しで頸を斬り落とせそうなところまで進んでいました

日が昇ってきています。

すかさず逃げていく猗窩座。

「早く、陽光の陰になるところへ行かなければ…!!」

とその時、炭治郎が刀を構えました。

そしてそれを猗窩座めがけて投げつけたのです!

刀は逃げる彼の背中に命中し、胸を貫きます

刀の飛んできた方向を猗窩座は見ました。

「逃げるんじゃない、卑怯者め!!」

炭治郎が叫びます。

「何を言っているんだあのガキ」

「俺はお前らから逃げてるんじゃないぞ、太陽から逃げているんだ」

「それにもう勝負はついている、アイツはまもなく死ぬからな!!」

炭治郎はあかざの姿が見えなくなってもなお叫び続けました。

「――煉獄さんの方がお前なんかよりずっと強い!!煉獄さんは負けてないんだ!!」

「誰も死なせていない!!戦い抜いて、守り抜いたんだ!!」

「お前の方が負けたんだ!!煉獄さんが勝ったんだ!!」

そして彼は悔しさからか大声を上げて泣きます。

これを見た伊之助は声を漏らしながら、震えています。

炭治郎の様子を見て煉獄は言います。

「もうそんなに叫ぶんじゃないぞ、腹の傷が開く」

「竈門少年が死んでしまったら俺の負けになるぞ」

そして「最後に少し話しをしよう」と炭治郎を呼び寄せました。

駆け寄り、座り込む煉獄の前へと進み出る炭治郎の顔には涙が溢れていました。

そして煉獄が話し始めます。

「思い出したことがある、昔の夢を見た時に」

 

黎明に散る(66話)

歴代の炎柱が残した手記がある」と自分の家に行くように炭治郎に話す煉獄

「君が言っていた、ヒノカミ神楽について何か書いてあるかもしれない」

そう話ながらも彼の体はぼろっと崩れます。

そんな彼を見た炭治郎は口を開きます。

「煉獄さんもういいですから、呼吸で止血を…傷を塞ぐ方法はないんですか?」

「無いな、俺はもうすぐ死ぬんだ」

「だから話せる内に喋ってしまうから聞いておくれ」

そう言うと煉獄は炭治郎に家族の遺言を託します

「弟には自分の思うままに正しい道を進んでいくように」そして「父親には体を大切いしてほしい」と。

それから彼は「禰豆子のことを信じ、鬼殺隊の一員として認める」とも話しました。

禰豆子が汽車の中で血を流しながらも人間を守っていた様子を見ていたののです。

「命をかけて鬼と戦って人を守る者は、誰が何と言おうと鬼殺隊の一員」

「胸を張って生きるんだ」

煉獄は炭治郎に言います。

「俺がここで死ぬことは気にするんじゃない」

「柱なら後輩の盾となるのは当然」

「柱ならだれでも同じことをするだろう、若い芽を摘ませはしない」

そして炭治郎、伊之助、善逸に向けて言葉を残します。

「もっともっと成長するんだ」

「そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となっていく、俺は信じている」

煉獄が見つめる先には涙を流す炭治郎。

そしてその後ろには遠くの方に母親、瑠火の姿が見えました。

「母上、俺はやるべきことを全うすることはできたのでしょうか」

そう思う煉獄を見つめて母親が言葉を返します。

「立派にできました」

その言葉に煉獄は微笑むのでした。

そして、煉獄は亡くなります

「――煉獄は汽車が脱線するときに技をたくさん使い車両の被害を小さくしていた」と善逸は話します。

亡くなった煉獄を囲む炭治郎、伊之助、善逸。

善逸は上弦の鬼が来たことに疑問を抱きます。

「今なんで上弦の鬼なんかが来たんだよ、そんなに強いの?」

彼の質問に炭治郎はうなずいてばかりいます。

そして涙を流しながら口を開きました。

「悔しい――」

「一つ壁を越えてもまた分厚い壁がある」と自分の不甲斐なさを悔やみます。

「こんなところで躓いている俺は、煉獄さんのようになれるのか…」

彼の思いに涙を流す善逸。

そしてずっと無言のまま震えていた伊之助が口を開きました。

「弱気なことを言ってるんじゃない!!」

「――信じると言われたらそれに応えること以外応えるんじゃない!!」

「死んだ生き物は土に還るだけなんだ、べそべそしたって戻ってきたりはしないんだよ!!」

「悔しくたって泣くな!!」

そういいながらも伊之助は泣いていました。

それを善逸に突っ込まれ頭突きを返す彼。

まだ泣いている炭治郎のこともポコポコと殴ります。

とそこへ隠達が駆けつけるのでした。

 

――煉獄の訃報は直ぐに産屋敷と柱達に伝えられます

この知らせに肩を落しそれぞれ考える柱達――。

どこかを歩きながら宇髄は言います。

「上弦の鬼には煉獄でも負けてしまうのか」

屋根の上で遠くを見つめて「俺は信じないぞ」と伊黒は呟きます。

涙を流し南無阿弥陀仏を唱える悲鳴嶼。

「鬼は俺が殲滅するんだ」

不死川はそう決心します。

 

お館様は妻のあまねと一緒にいました。

煉獄の訃報について話しています。

「2百人もの乗客は一人も死ななかったのか、杏寿郎は頑張ったね」

「寂しくはない、私は長くは生きられないのだから」

近いうちに杏寿郎や皆のいる黄泉の国へ行くことになるだろうからね

 

さがしもの(67話)

「利口そうな子、血のつながりは無くても私の後はあの子に継がせますわ」

どこかのお屋敷の居間でそう話しをするある婦人と大人たち。

「ただ皮膚の病いかかっているので、昼間は外に出られないんです」

――一人の少年が本棚の前で分厚い本を読んでいました。

そして彼の部屋の出窓に猗窩座が現れます。

「ご報告に来ました、無惨様」

その言葉に彼の方を向く少年。

「例のものは見つけたのかな?」

少年の正体はなんと無惨だったのです。

「調べましたが情報も存在も確認できず“青い彼岸花”は見つけられていません」

「それで?」

これに対し猗窩座は「自分が命令通りに柱を一人倒したこと」と「これからも期待に応えられるように尽力すること」を伝えました。

しかし、無惨は答えは喜ばしいものではなかったのです。

「何か思い違いをしているようだぞ、猗窩座」

そして人差し指を猗窩座に向けました。

すると体はミシミシを音を立て始めます。

「たかが柱を倒したぐらいで……鬼が人間に勝つのは当然のことだ」

「私が望んでいるのは鬼殺隊の殲滅」

「複雑なことではないはずなのにまだ叶わないのはなぜなんだ」

無惨は持っていた本のページをびりびりに破きました。

そして「柱に以外の3人の鬼狩りをなぜたおさなかったのか」と問います。

猗窩座は無惨の力により目や口から血が流れ出していました。

「お前もには失望したぞ」

「あろうことか、柱でもな剣士に一撃を受けるとはな」

「上弦の参も落ちたものだ」

そして猗窩座を下がらせました。

――屋敷の庭には炭治郎刀が刺さっていました。

この刀をじっと見つめた猗窩座。

いきなり刀を殴り出します。

彼の脳裏に蘇る炭治郎の姿と「卑怯者め!!」という言葉。

「貴様の顔覚えたからな!!次会った時はお前の頭をぶちまけてやる!!」

地面にはばらばらになった刀が落ちていました。

 

蝶屋敷では治療を受けた善逸が考え事をしながら廊下を歩いていました。

煉獄の死によって炭治郎ですら落ち込み、伊之助も悔しさのあまりに泣いていたことを思います。

「どんなに強そうなひとでも悲しいこと辛いことはあるだよね、だけど蹲っても仕方ないから」

「傷ついた心を何度も叩いて立ち上がるんだ」

「煉獄さんもそういう人だったんじゃないかな、そういう音のする人だった」

――部屋に戻り炭治郎を呼ぶ善逸。

しかし、そこでは看病に当たっていた一人が炭治郎がいないと騒いでいました。

何があったのか尋ねる善逸。

「炭治郎さんが傷が治っていないのに鍛錬していて、しのぶさんまでピキピキされていて…!!」

「安静にと言われているのに」

彼女は泣きながら慌てています。

「腹の傷は結構深かったはずだよな?それでどこかに行くとかアイツ馬鹿なのか?」

――その頃、炭治郎は野外を走っていました。

隊服も着て箱も背負っています。

そして空には烏が飛んでいました。

「ありがとう煉獄さんの烏」

「煉獄さんの意を汲んで案内してくれているんだ」

炭治郎のから少し先に人影が見えました。

煉獄に似た少年が門の前でホウキを持っています。

千寿郎くんだよね…?」

その声にこっちを向く少年。

そして炭治郎は彼に近づいてお辞儀をしました。

それから煉獄から弟と父にと預かった伝言を伝えに来たことを話します。

「兄からですか?兄のことはすでに承知してはいますが……」

「それよりもあなた顔色が真っ青です、大丈夫ですか?」

2人がこうして話していると突然。

「やめんか!!」

そい言って煉獄の父親、煉獄槇寿郎(しんじゅろう)が手に酒を持ち、家の奥から出てきたのです。

「どうせくだらないことを言い遺しているはずだ」

「才能もないのに剣士なんぞになるから死んだりするんだ!!」

「杏寿郎はくだらない愚かな息子だ!!」

この発言に炭治郎は顔を曇らせるのでした。

 

使い手(68話)

困ったような表情の千寿郎と「何を言っているんだ」と言わんばかりの顔の炭治郎。

彼らを前に槇寿郎が口を開きます。

「人間の能力は生まれた時に決まっているんだ」

「才能のあるものはごく一部であとの者は有象無象だ」

「杏寿郎もそうだ、大した才能は無い」

「そんなの死ぬに決まっているだろが」

そして彼は続けて千寿郎に強く当たります。

「葬式は終わった、いつまでもしみったれた顔をするんじゃない!!」

この言葉に炭治郎は「酷い言い方だ」と言葉を返しました。

「何なんだお前は、出て行くんだ」

「うちの敷居を跨ぐんじゃない…」

炭治郎は自分が何者なのかを言おうと少し言葉にしたその時。

槇寿郎の目に炭治郎の耳飾りが目に入ったのです。

それを見た瞬間、彼は目を見開き持っていた酒の入れ物を落してしまいます。

そして家の玄関から炭治郎の方へと多たどたどしく歩いて来たのです。

「……そうかお前」

“日の呼吸”の使い手だろう?そうにちがいない」そう言って炭治郎を指をさします。

「“日の呼吸”って?何のことを言っているんですか?」

炭治郎は戸惑います。

しかし、次の瞬間には槇寿郎が炭治郎を勢いよく投げ倒したのです。

地面に倒された炭治郎。

動きの速さに「素人じゃない」と思います。

これを見ていた千寿郎はすぐさま父親を止めに入りました。

「やめてください!!その人具合が悪そうなんです!!」

これに対し槇寿郎は「うるさい黙らんか!!」そう言って彼の顔を殴ります。

地面に倒れる千寿郎。

この行動を目の当りにした炭治郎は怒りました。

そして「いい加減にしないかこの人でなしが!!」そう言って倒れた状態から槇寿郎を殴りました。

炭治郎は立ち上がります。

「何なんだあんた!!命を落とした息子を侮辱して」

「殴ったりして!!」

槇寿郎は恐ろしい顔をして口を開きます。

「お前は俺たちのことを馬鹿にしているんだよ」

この言葉に炭治郎は「何をいっているのかわからない」と声を張ります。

「お前が“日の呼吸”の使い手だからさ」

「俺はその耳飾りを知っているんだ、書いてあったんだよ!!」

この話に炭治郎が“日の呼吸”がヒノカミ神楽なのかと考えます。

槇寿郎は話し続けます。

「始まりの呼吸」

一番初めに生まれた呼吸で最強の御技」

「そして全ての呼吸は“日の呼吸”の派生なのさ」

「――派生は“日の呼吸”の劣化の呼吸でしかない」と怒鳴ります。

この話を聞きながら炭治郎は自分代々炭焼き、家系図もあると思うのです。

槇寿郎は彼の方に向かって歩きながら言い放ちました。

「“日の呼吸”の使い手だからといって調子に乗るな小僧が!!」

この言葉に炭治郎は涙を流しながら怒鳴り返しました!

「乗れるわけないだろ!!自分の弱さに打ちのめされてるっていうのに」

「煉獄さんの悪口なんか言うんじゃない!!」

そして槇寿郎の元に走り殴りかかろうとします。

「危ないです!!父は元柱なんですよ」

千寿郎が警告します。

でも炭治郎はその言葉も聞かずに殴りかかります。

しかし槇寿郎は強く返り討ちに。

炭治郎はボコボコにされながらも考えていました。

「そんなに強い呼吸なら、何であの時に煉獄さんを助けることができなかったんだ!!」

そして炭治郎は一手をよけ回転しながら槇寿郎の顔面に頭突きをかましたのです。

これには止めようとしていた千寿郎はも驚いていました。

 

「なんてことしたんだ…」そう思い畳の上に座り込む炭治郎。

彼は千寿郎と共に居間に上がっていました。

炭治郎はお茶をもらいながら槇寿郎に頭突をしたことを謝ります。

「父は大丈夫だと思いますよ、目を覚ましたらお酒を買いに出かけたので」

そして「すっきりしました」と言葉を続けます。

千寿郎は「兄のことを悪く言われながらも父親には口答えできなかった」と言います。

それから彼は兄の最期について炭治郎に尋ねました。

――話を聞き千寿郎は涙を流します。

「……兄は最期まで立派でしたか…ありがとうごさいます」

この言葉に謝る炭治郎。

「気になさらないでくださいよ、兄もきっとそう言ったはずですよね」

千寿郎のこの言葉に返す言葉がない炭治郎でした。

「父親の見ていた書物を持ってくる」そう言って千寿郎は部屋を出ます。

そして戻って来て一冊の本を炭治郎に見せます

「これでだと思うのですが…」

手渡された古そうな本。

2人は中を開けてみます。

しかし彼らは本の中身を見て驚いたのでした。

 

前へ進もう少しずつでも構わないから(69話)

ずたずたでほとんど読めないぞ」

千寿郎から受け取った本を開いて炭治郎は言います。

「歴代炎柱の書は大切に保管されているものです」

「恐らく父が破いたのだと…」そう言って千寿郎は謝ります。

「いえいえ、千寿郎さんのせいではないので気にしないでください」と炭治郎。

「ヒノカミ神楽や父の言っていた日の呼吸について結局何もわからないままで…」と千寿郎は言いました。

それに対し、炭治郎は「もっと鍛錬しなければならない」と答えます。

「舞の手順を知っているヒノカミ神楽ですら使いこなせていない」

「――全集中の状態でヒノカミ神楽を使うと思ったように体が動かなくなるし、これは俺の問題だ」

「全集中の常中で体力は向上したがそれでも足りないんです…」

「常中ができれば日一日と体力が向上していくとのはずだけど、一瞬では強くはなれないんだ」

「近道はない」と炭治郎は言います。

「足掻いて今の自分にできる精一杯のことをして前に進んでいく」

そして「俺は杏寿郎さんのような強い柱に必ずなる」と炭治郎は決意します。

この言葉に涙を浮かべる千寿郎。

そして彼は話始めました。

「兄には“継子”がいなかったのです」

千寿郎は自分が継子となるはずでした。

しかし、どれだけ稽古をつけても日輪刀の色が変わらなかったと話します。

「本来ならば、ある程度剣術を身に付けていないと日輪刀の色は変わらないもの」

彼は涙を流し「剣士を諦める」と言葉にするのです。

「それ以外の形で人の役に立てるようなことをしようと思います」

「炎柱の継承は断たれて長い歴史に傷が付いてしまいますが」

「でも兄はきっと許してくれます」

「千寿郎さんが正しいと思う道を進んでいくといいと思いますよ」

炭治郎は彼を後押ししました。

――帰り際。

千寿郎「歴代炎柱の書の修復」とそれについて父親に尋ねてみると炭治郎に約束しました。

「何かわかれば烏を飛ばします」

そして、炭治郎は門の前でお礼を言い帰ろうとします。

すると千寿郎が彼を引き留めました。

「これは兄の日輪刀の鍔です」

そう言って手渡します。

いただけないと炭治郎は焦りました。

「持っていって欲しいんですよ」

「きっとあなたのことを守ってくれますから」

そう千寿郎に言われ炭治郎は受け取りお礼を言いました。

そして彼は煉獄の家を後にします。

 

部屋に戻った千寿郎。

父親が帰っていたので兄の遺言のことについて話をしようとしました。

しかし槇寿郎は聞く耳を持とうとしません。

「どうせ俺への恨みにごとだ、わかりきっているぞ!!」

千寿郎には背を向けたまま「出て行け」と命令します。

部屋を出て扉を閉めようとした千寿郎。

しかし、最後に一言、杏寿郎の残した遺言を伝えます。

「体を大切にして欲しい」それだけだと。

これを聞いた槇寿郎は眉を下げました。

千寿郎は戸を閉めました。

父親の脳裏には「行って参ります」と言った杏寿郎の顔が浮かんでいました。

酒を飲もうとしたその手を止め、酒を床に勢いよく置いた彼。

「杏寿郎!!」

そうつぶやき、涙を流すのでした。

 

熱があるようで少し苦しさを覚える炭治郎。

と彼の少し先で誰かが立っていました。

その正体はなんと鋼鋼鐵でした。

彼は頭に2本の刃物と両手にも2本持っています。

この状況に炭治郎は顔は真っ青に。

「刀を失くすはどういうことだ貴様!!」

「万死に値するぞ!!」

そう言って刃物振り上げ炭治郎を追いかけます。

「すみません、ごめんなさい」と言いながら逃げる炭治郎。

この鬼ごっこは夜明け近くまで続いたのでした。

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